パーフェクトな黄葉 [ 浄土平 ]


10月「体育の日」の連休、両親を伴って浄土平を訪れた。



目的はもちろん『黄葉』である。

夏の残暑で遅れ気味だった今年の秋も、ここへ来てやっと深まり始めた感じだ。


山歩きをする私達にとって浄土平は一、 切経山や鎌沼を訪れることで自然の美しさを実感する所である。

しかし山歩きをしない高齢者にとっては、浄土平をどのように楽しんでもらえばいいのだろうか?

それがここへ来るまでのちょっとした懸念であった。
とりあえず湿原散策でもして、元気があれば桶沼まで・・・と漠然と考えていた。

浄土平の駐車場へ車を止め、湿原散策の前にあるトイレへ。

トイレ近くに吾妻小富士の登山口があり、大勢の観光客が列を成して階段整備されたその登山道を登っていく。




父が少し羨ましそうにそのようすを眺めた。

私の頭の中には 両親を連れて吾妻小富士に上がる気は全くなかった。

父は登れるとしても、視力と心臓に心配のある母にとって整備された道とはいえ山登りは無理だ。

「登ってみますか?」
彼が 父に言った。

「うん、登ってみたい」
と父が返事をする。

正直私は「母のことは どうするのよ」と声に出しては言わないが内心惑っていた。

そして彼は「お母さんはきっと『ここで待っている』と言うだろう」と思っていたようだ。

母の方を見ると返事に躊躇しているようだったが、その表情は自分も登りたそうだ。

「それなら、みんなで行ける所まで行ってみましょう」


階段整備された登山道とはいえ、地面に石が敷かれている程度。
目の悪い母にとって歩きにくい道には変わりない。

いつでも母を支えられるように、私は母と腕を組んでゆっくり登る。




階段1段に付き2歩という小さなステップを踏みながらゆっくり登れば、心臓や肺への負担も少ない。




母は特に息切れすることもなく黙々と歩き、父は 時々景色を眺めつつ、




そして、みんなで無事に上部に到着 !!


上から眺める風景は、やはり下で見るものとは異なる。




一切経の噴煙も迫力があり、




上から眺める湿原はまるでメルヘンの世界。


吾妻小富士から下り、先程上から眺めたメルヘン湿原へ。






「桶沼なら行けるかな」と考えていた私に彼が言った、
「ゆっくり歩けば鎌沼まで行けるかも?」

桶沼ではなく、もっと遠い鎌沼を目指し、登山道を歩き始めたが、、、




やっぱり登山道は母には 少し辛そうだし、雲行きも怪しくなってきた。

ということで、今日はここまで。




でも上から眺めた黄葉は パーフェクト !!
「ここまで登ってきて、正解だったね」




湿地まで戻り、最後は木道一周。







完璧な晴天とまではいかなかったが、とりあえず雨にも降られず時々は青空も望め、そのうえバッチリの黄葉、

「今日は本当に、Good Timing!! だったね。」





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